joseph carey merrick.

幸せになりたいだけなのに

トリアージ

生き物が死ぬときの肺から残りの空気が漏れ出る音みたいな呼吸をする日々。あけましておめでとうございます。私はとても元気で、明日も白痴でありたいと願いながら、最大限の希死念慮を抱きしめています。 2023年が終わって、いい意味で死に、わるい意味で生…

作りものの呼吸

エンドロールの最中、主題歌の後に流れる誰も覚えていない音楽のような日々。現象だけが動いている。空想と現実の二律背反。鏡を見ると何か得体のしれないものが映っていた。そいつはかぷかぷ笑っていた。 唐突に昔暮らしていた場所を思い出してノスタルジー…

帰り道の在処を

今日も少しだけ死んだ。認識できないほど少しずつ、緩やかに死んでいく。処刑台への階段を登るかのように終わりに向かっていく。もしかしたら、もう首に縄を掛けているのかもしれないな。喘鳴が止まらないのもそのせいかもしれない。 道を行く人達が虫の群れ…

「もしもあなたが私をジョナサンと呼ぶのなら」

死ぬ夢をよく見る。 2月だったと思う。手術台に無影灯の光が降り注ぐと、私の身体には何本かのパイプが刺さっていて身動きが取れなかった。私は風船の中みたいだなあと思った。血は出ていなかったから余計にそう思ったのだけれど。やがて私の中から心臓を取…

思い出の意味、花束の庭

木になっているぶどうがすっぱいに違いないと諦めることができたらどんなに良かっただろう。届きそうに見えて、中途半端に手を伸ばしてしまった。そうして疲れ果てて、もう手を伸ばす事もできなくなったにも関わらず、私は無様にも果実を見上げ続ける。ぶど…

レミングの向かう先に

ふわふわと漂いながらも水に濡れれば重くのしかかる綿のような日々。雨の日は調子が悪くなるけど嫌いになれない。生活圏に人が少なくなるから。 近頃、表現するという行為が非常に苦手だと感じている。感想や要望を求められても、少し考えるふりをして、当た…

木蓮とソドムの際

痛みも幸福も神経に伝達する前に忘れていってしまうような日々。眼前には何もないがある。自分が悲劇名詞だという現実。振り落とされてしまうのも当然だな、と思った。 ヘンリー・ダーガーという作家が好きです。15000ページを超える世界最長の小説を、死ぬ…

花のように生きられたら

賽の河原で石を積み上げては崩すような生を送っている。償いは許されない。罪名が無ければ判決は下されない。心電図のサインは意思と無関係に続いていく。生きている事を望む人がいるということは、死ぬ事を許さない人がいるということでもあるのだ。ここは…

殯の膿

お酒が嫌いになりました。ただ気分の悪くなる液体だと気付いた。もともとかなり弱い方であまり飲むことはなかったけど、ここ最近付き合いで飲むたび、アルコールで気の大きくなった人間の腹のうちを聞かされるたび嫌になってしまった。弱すぎて酔うことがで…

滑稽なものを笑うではなく、気恥ずかしさに頬をほころばせるではなく

人の真似事は上手くできるようになったけど、ついに人として生きる事はどうしてもできなかったな。 普通の人(あえてこういう言い方をする)ができることができなくて、それを自分の能力不足やなんらかの障害と思いたくなくて、自分が人じゃないと思うように…

決して生まれ変わらず、今この瞬間のまま

みなごろちゃんが死にました。 目に見えて、生きとし生けるモノ全てとコミュニケーションを取ることが苦手なえむねこは、Twitterこそが唯一、この世界と自分を繋ぎ止める糸、あるいは鎖のようなものでした。 そいつが断ち切られても、いや、切り離すことすら…