joseph carey merrick.

幸せになりたいだけなのに

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

帰り道の在処を

今日も少しだけ死んだ。認識できないほど少しずつ、緩やかに死んでいく。処刑台への階段を登るかのように終わりに向かっていく。もしかしたら、もう首に縄を掛けているのかもしれないな。喘鳴が止まらないのもそのせいかもしれない。 道を行く人達が虫の群れ…

「もしもあなたが私をジョナサンと呼ぶのなら」

死ぬ夢をよく見る。 2月だったと思う。手術台に無影灯の光が降り注ぐと、私の身体には何本かのパイプが刺さっていて身動きが取れなかった。私は風船の中みたいだなあと思った。血は出ていなかったから余計にそう思ったのだけれど。やがて私の中から心臓を取…

思い出の意味、花束の庭

木になっているぶどうがすっぱいに違いないと諦めることができたらどんなに良かっただろう。届きそうに見えて、中途半端に手を伸ばしてしまった。そうして疲れ果てて、もう手を伸ばす事もできなくなったにも関わらず、私は無様にも果実を見上げ続ける。ぶど…

レミングの向かう先に

ふわふわと漂いながらも水に濡れれば重くのしかかる綿のような日々。雨の日は調子が悪くなるけど嫌いになれない。生活圏に人が少なくなるから。 近頃、表現するという行為が非常に苦手だと感じている。感想や要望を求められても、少し考えるふりをして、当た…

木蓮とソドムの際

痛みも幸福も神経に伝達する前に忘れていってしまうような日々。眼前には何もないがある。自分が悲劇名詞だという現実。振り落とされてしまうのも当然だな、と思った。 ヘンリー・ダーガーという作家が好きです。15000ページを超える世界最長の小説を、死ぬ…