joseph carey merrick.

幸せになりたいだけなのに

木蓮とソドムの際

 

痛みも幸福も神経に伝達する前に忘れていってしまうような日々。眼前には何もないがある。自分が悲劇名詞だという現実。振り落とされてしまうのも当然だな、と思った。

 

ヘンリー・ダーガーという作家が好きです。15000ページを超える世界最長の小説を、死ぬまでの半世紀以上書き続け、誰にも見せることなく没した。公表する機会があったら、彼は自身の作品を公表しただろうか。誰かに評価されたいと感じていただろうか。何十年も、自らのために創作を続けていた。自らのために非現実の王国を作り続けていた。私も、そうありたいと思う。誰も触れることのない楽園、終わることのないパレード。ここは水飴で満たされた水槽の底。